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執筆者の写真山田峯子

サロン振り返り日記 #1 トカゲ ①

更新日:11月2日

走って逃げるトカゲの尾が、陽炎のむこうにみえる。

こんなイメージがあったとする。
こんな感覚をダンス作品で味わうとしたら、どんなものになるか?

以前、といってもかなり前に、イメージからダンス作品をつくるってどういうことだろうという話がサロンで出たことがある。
今から話すのは、その参加者が話していた内容である。

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まず初めに、「踊り手はどの目線で何をするべきか」を考え始めてしまうと、僕には限りなく退屈に感じられる。たとえば、あなたがトカゲをみているその"感じ"をやるのだ、という踊り手へのオーダーがあるかもしれない。でも、ある"感じ"を思い出している踊り手をみているときの僕の"感じ"はいつも一緒な気がする。

多分踊り手は、"感じ"(自分のみている景色)が限りなく共有できるものだと、信じるしかないのだろう。それは仕方のないことだと思う。ただ、作り手も同じように、踊り手の目線で何をするべきか考えて始めていいものだろうか?

普段ダンスを観るだけの観客の僕にとって、踊りは、ゼロからイチがうまれるような芸術に思えない。たった一つの、イチしかない、そこに、ゼロもヒャクもセンもみてしまう。そういった魅力があるのは確かだ。
でもそのイチは、ダンサーであるとは限らない。「イチしかない」と思える、そのUnitはどこまでも変わる。
だから、イメージの手前、ゼロやヒャクをみるその手前のイチがどんなUnitなのか。それを考えてみたらおもしろそうだなと思う。
僕は作家ではないんですが……………………

(T.A. さん / 当時30代)

※掲載にあたり、本人の承諾を得ております。
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